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参考キーワード:ツイスター 下肢装具 歩行

外旋歩行を整える:下肢回旋を補正するツイスターの選び方と活用方法

外旋歩行を整える:下肢回旋を補正するツイスターの選び方と活用方法

〈キーワード〉 ツイスター下肢装具歩行

※本記事は、理学療法士向けの記事となっております。すべての方に当てはまる訳ではありませんので、参考程度にご使用ください。

脳卒中片麻痺者の歩行練習において、外旋歩行(つま先が外を向いた歩行)への対応に難渋することはありませんか?「股関節屈曲を鍛える」といったことですぐには解決できず、歩行中のねじれをコントロールすることは実際には容易ではありません。

そのような場面で有用なのが、下肢全体に巻いて下肢の回旋を補正する歩行サポート用具「ツイスター」です。発症後2~3か月以内であれば、歩行時に数か月間ツイスターを使用することで、外旋歩行を軽減できることが多いとされています1)

今回は、脳卒中片麻痺者におけるツイスターの役割と、その使用に際しての注意点について解説します。

ツイスター1

本記事では、
・ツイスターの主な役割

・ツイスターの種類と選択
・ツイスターの使用上の注意点
・まとめ
こちらについて解説させていただきます。

ツイスターの主な役割2)

長下肢装具から短下肢装具へカットダウン後、股関節の内外旋のコントロールが難しくなることがあります。歩行時の内外旋には、以下の2つが見られます。

①踵からの初期接地から荷重応答期にかけての踵を支点とした内外旋の場合

   要因としては、装具の初期背屈角度が大きすぎる場合や、底屈制動力が強すぎる場合に生じます。この場合は、装具の設定を変更するか、前方への重心移動を促すことが必要です。

②麻痺側の前遊脚期に股関節外旋を呈しながら下肢を振り出す場合

   カットダウン直後の股関節屈曲による振り出しが弱い時期において、内転筋優位の振り出しのため股関節外旋位が生じやすいです。

脳卒中片麻痺者にとって、ツイスターは歩行練習におけるセラピストの”第三の手”として、股関節内外旋の安定的な歩行定着を促す目的で使用されます。

ツイスターの種類と選択

ツイスターには軟性ツイスター硬性ツイスターがあり、脳卒中片麻痺者の状態や目的に合わせて選択されます。

1.軟性ツイスター3)

下肢の回旋を矯正・制御する目的で、軟性ツイスターにはゴム素材が使用されています。軟性ツイスターは、ゴムの巻き方向によって下肢の回旋を矯正・制御します。入院中のリハビリテーションにおいて使用されることが多く、簡易的なツイスターでも矯正効果が期待できます。

簡易的な作成例: 市販のウエストベルトと装具の下腿バンドを、幅5㎝の伸縮性マジックテープで連結し、矯正したい方向に合わせて下肢にスパイラル状に巻き付ける方法があります2)

他には、弾性包帯を用いたツイスターも使用されます。

装具の金属支柱の内側または外側に弾性包帯の中心を引っかけ、二つに束ねた弾性包帯をスパイラル状に巻きます。大転子付近で一度結び、そのままウエストまで巻き付けます。最初に股関節を内旋位にしてスタートすると、より効果的な矯正力が得られます。

注意点: スパイラルは1周程度に留めるのが無難で、数周巻くと矯正力が低下するため注意が必要です。

ツイスター2

2.硬性ツイスター3)

下肢の回旋を矯正・制御するもので硬性ツイスターの素材は鋼線を使用しています。硬性ツイスターは鋼線の巻き方向で、回旋を矯正・制御します。

足立ら4)は、硬性ツイスター使用により、脳卒中片麻痺者2例の歩行能力が改善したと報告しています。

硬性ツイスターは義肢装具士によって作製されるもので、退院後の生活を見据えた仕様が求められます。

ツイスターの使用上の注意点

ツイスターは、適切な使用方法を守ることが重要です。誤った使用方法は、かえって悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、弾性包帯を用いてツイスターを行う場合、包帯が膝関節のどの位置を通るかによって矢状面上での制御の効果が変わります。

  • 膝関節の前面を通る場合: 膝折れを予防できます。しかし、その反面、膝の過伸展が助長される可能性があります。

  • 膝関節の後面を通す場合: 膝の過伸展を防ぐことができますが、膝折れを助長することがあります。

ツイスター3

ツイスターからの卒業

最終的には、ツイスターを使用しなくても麻痺側下肢が安定し、日常生活動作が行えるようになることが目標です。そのためには、早期からの適切なリハビリテーションが重要となります。リハビリテーションの経過の中で、段階的にツイスターの使用時間を減らしていくことを目指しましょう。

まとめ

本記事では、ツイスターの選び方と活用方法について解説しました。ツイスターは、脳卒中片麻痺者の外旋歩行や内旋歩行などの異常歩行に有効な装具です。その効果を最大限に引き出し、リハビリテーションと並行して、より良い日常生活を送れるように取り組んでいきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

  1. 才藤栄一.脳血管障害(脳卒中)片麻痺.日本整形外科学会(監修).義肢装具のチェックポイント.第8版.pp269,医学書院,2014

  2. 村山稔.運動療法のための装具の活用.勝谷将史(監修).脳卒中リハ装具活用実践レクチャー.pp65-67,メジカルビュー社,2018

  3. 内藤貴司.下肢装具の構成部品とそのチェックアウト.高田治実(監修).義肢・装具学.第1版.pp262,羊土社,2020

  4. 足立清香,古河慶子 他.ツイスター装具を使用し,歩行能力が改善した中枢性片麻痺の2例.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.51,799-802(2014).

文責: 理学療法士 小野塚雄一