〈キーワード〉装具、痛い、修理
※本記事は、全ての方に当てはまる内容ではありません。参考程度にお読みください。
装具を作製して、しばらくは問題なく生活できていたが…最近、足が痛い…。
その問題、もしかしたら簡単な修理で解決できるかもしれません。
本記事の内容
この記事を読むと、装具による痛みとその対処法が分かります。
よく見られる装具による痛みについて-
人の体は日々変化しています。怪我や病気をした後は、なおさら変化が著しくなることもあるでしょう。
装具を作った直後は調子よかったのに…なんだか最近、足が痛い…。
痛みの原因は様々です。ここで紹介する方法で全てを解決できるわけではありませんが、いくつか簡単な修理で改善できるものを紹介させていただきます。
骨が当たって痛い
装具が骨に当たると痛みを生じることがあります。
装具を作ったときよりも痩せたり、腫れていた部位の腫れが引いたりすると、骨と皮膚の間が薄くなり、装具に骨が当たりやすくなることがあります。
また、足全体の形も微妙に変化したことで、今まで当たらなかった部分が当たることもあります。
そんな場合、装具がプラスチック製であれば熱を加えることで修正できるかもしれません。
また、金属製であっても部品の交換などで対応できるかもしれません。
まずは、近隣の病院や治療院など、お近くの装具について相談できる施設に聞いてみてはいかがでしょう。

皮膚に食い込んで痛い
装具が皮膚に食い込んで痛みを生じることがあります。
装具を作ったときより足が浮腫んでしまったり、体重が増えて足が太くなってしまったりした場合に多いです。
靴のサイズは体重が増えても大きくなりません。
しかし、下腿と呼ばれる“ふくらはぎ”や“すね”の部分は浮腫みや体重増加で太くなることもあります。
そうすると、プラスチック装具の上縁が皮膚に食い込んでしまうことがあります。
装具は作製してからすぐに作り直すことが難しい場合もあります。
そういった場合は、対処法として下腿の上縁に返しを作り、皮膚に食い込まないように工夫できます。

足の指が痛い
病気をした後に筋の緊張度が高くなり、力が過剰に入ってしまうことがあります。
装具を着けていても抑えが効かずに足の指を硬く握ってしまう人は少なくありません。
そうすると、靴の中で指の背面が当たったり、爪が食い込んだりなどして痛みを伴うことがあります。
そういった場合は、指の下に指枕(インヒビターバー)というパーツを付けることがあります。
指先を指枕にかけることで過剰に握りこむことを防ぐのです。

引用画像①https://www.tomeibrace.co.jp/products/tool.html
足の裏が痛い
足の裏には筋肉や靱帯など、色々な軟部組織があります。
その中で足底腱膜と呼ばれる、足の裏全体へヨットの帆のように張っている組織があります。
足底腱膜は、足にかかる体重を受け止めるクッション材としても働きます。
装具は、過剰な足の動きを抑えるために使う場合もあり、土踏まずが下がった場合、人によっては、その足底腱膜が過剰に引き伸ばされることで痛みが出てしまうことがあります。
そういった場合は、土踏まずを持ち上げるパッドを挿入すると解決することがあります。
土踏まずを持ち上げて足底腱膜を緩ませるのです。

まとめ
今回は、よく見られる装具による痛みと、その対処法について紹介しました。
本来、装具は痛みを軽減し日常生活を過ごしやすくするためのものです。
わずかな痛みでも我慢せず、まずは、お近くの装具について相談できる医療機関に相談してみてください。
当ホームページでも紹介している「埼玉県脳卒中下肢装具対応施設一覧」から最寄りの施設を検索していただけますと幸いです。
文責:医療法人瑞穂会 川越リハビリテーション病院 理学療法士 安岡 裕輔