両側金属支柱付き短下肢装具の足部の種類の選び方と活用方法
<キーワード>両側金属支柱付き短下肢装具、足部、種類
※本記事は、理学療法士向けの記事となっております。
すべての方に当てはまる訳ではありませんので、参考程度にご使用ください。
短下肢装具(AFO:Ankle-Foot Orthosis)は、足関節を支持・制御し、立位や歩行を補助するための装具です。
なかでも両側金属支柱付きAFOの足部の構造は、痙性や拘縮の程度などの病態や生活様式を考慮し、予後も見すえたうえで選択することが望ましいとされています1)。
そのため使用状況によって選択されることが望まれます2)。
本稿では、臨床でよく見られる3種類の足部構造の①足部覆い型、②整形靴型、③靴インサート型について、それぞれのメリット・デメリットに加え、理学療法士の視点から解説します。
以下の内容について解説させていただきます。
【メリット】
・開口部が広いため第三者が着脱がしやすい
・足尖部を確認しやすい
【デメリット】
・屋内に優れた仕様であり、屋外には不向き
・つま先が覆われていない
【理学療法士の視点】
主に病院内や施設内で使用されることが多く、リハビリテーションにおいても、理学療法士が着脱を行いやすいため、長下肢装具を用いた歩行練習をスムーズに実施することができます。
また、足部の観察や、浮腫などによる周径差にも柔軟に対応することが可能です。
例として「歩行用キャストカバー」などを併用することで屋外で使用する際に足の汚れを防ぐことが可能な場合があります。
整形靴型(Shoe Type)1,2,3,4)
靴型は下腿半月と皮革の足部、あぶみ、足継手で構成されており、主に屋外での使用を想定した構造になっています。
【メリット】
・屋外移動に優れた仕様
・固定性に優れている
【デメリット】
・装着しにくい
・足尖部の確認はしにくい
・屋内用の装具が必要となる
・屋外での使用のため摩耗しやすい
【理学療法士の視点】
屋外での使用を想定した仕様です。
屋内では装具なしでも歩行が可能であり、主に屋外歩行時の安定性確保を目的とする方にとって、使い勝手の良い仕様です。
靴インサート型(Shoe Insert Type)1,2,3,4)
靴インサート型は下腿半月とプラスチックの靴インサートの足部、あぶみ、足継手で構成されており、屋内外兼用での使用を想定した構造になっています。
【メリット】
・足部覆い型や靴型よりも軽量
・屋内外で使用が可能
・足部覆い型や靴型に比べて製作費用は安く済む
・立位・歩行が安定している症例はMP関節より前方をカットすることができる
【デメリット】
・屋外では靴を履く必要がある
・履ける靴が限定されてしまう
・靴を履くことで下腿前傾角度(Shank to Vertical Angle: SVA)の影響を受ける
・足部のむくみに対応しにくい
【理学療法士の視点】
靴とのフィッティングは非常に重要です。
靴を履くことで踵の高さが上がり、SVAへ影響を及ぼす可能性があります。
その結果、膝折れなどの症状が生じることも考えられます。
必要に応じて、踵に高さのないタイプの靴を選定するなど、調整が必要です。
まとめ
本記事では、「両側金属支柱付き短下肢装具における足部の種類の選び方と活用方法」について解説しました。
両側金属支柱付き短下肢装具の足部構造は、退院後の生活様式を想定することで、その選択が大きく異なります。
加えて、予後を見据えた装具選択という観点も重要です。
例えば、長下肢装具から短下肢装具へカットダウンしていく可能性が高い症例においては、あらかじめ足部の仕様を選択しておくことで、段階的な調整を行いながら、屋外歩行練習まで対応することが可能となります。
理学療法士は、各構造の特徴を十分に理解したうえで、リハビリテーションに適切に反映させることが重要です。
また、義肢装具士との情報共有を通じて、患者の生活様式に即した最適な足部デザインを検討することが望まれます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
1)浅見豊子.脳卒中片麻痺の装具.川村次郎(編).義肢装具学.第4版.pp202-204,医学書院,2017
2)高嶋孝倫.下肢装具の基礎と適合判定.日本整形外科学会(監修).義肢装具のチェックポイント.第8版.pp221,医学書院,2014
3)網井清志.短下肢装具.細田多穂(監修).義肢装具学テキスト.改訂第3版.pp26-32,南江堂,2019
4)内藤貴司.下肢装具の構成部品とそのチェックアウト.高田治実(監修).義肢・装具学.第1版.pp260-261,羊土社,2020
文責: 理学療法士 小野塚雄一



