装具で歩きやすくなるって本当? ~膝折れを防ぐ装具の効果について~

〈キーワード〉装具、歩きにくい、膝折れ
※本記事は、全ての方に当てはまる内容ではありません。参考程度にお読みください。
以前、お医者さんに装具を着けることを勧められたが、「装具なんて格好悪いし、恥ずかしいから嫌だ。」と断った・・。
それからだいぶ経ち、最近なんだか足の調子が悪い。たまに膝がカクっとなることがある。
本当に装具を着けると歩きやすくなるの?
膝がカクっとなる「膝折れ」は、未然に防ぐことが難しく、転倒の原因になりやすいです。
ここでは、装具を着けて歩いたときの膝への効果についてお話しします。
本記事の内容
・歩くときの膝の動きについて
・膝折れに対する装具の効果
・長下肢装具の場合
・短下肢装具の場合
この記事を読むと、膝折れと膝折れに対する装具の効果がわかります。
膝折れに対する装具の効果
脳卒中を発症した直後などは、筋が麻痺してしまい、自分で手足を動かせなくなる場合があります。
麻痺した脚で体を支えきれず、膝がカクっと折れてしまい、転んで大怪我をする・・考えただけでも怖いですよね。その「膝折れ」を装具は抑えてくれます。しかし、装具にも色々ありますので、どのような場合にどのような装具が有効か知っておくと良いでしょう。
長下肢装具の場合
前項で述べた通り、脳卒中などで極端に筋力が低下してしまった場合は、膝関節が曲がらないように長下肢装具と呼ばれる装具で直接抑えてあげる必要があります。長下肢装具は膝関節が曲がらないように前後から固定します。通常は、理学療法士と一緒に歩行練習をするときに使うことが多いです。
短下肢装具の場合
長下肢装具は、直接的に膝折れを防ぎますが、間接的に膝折れを防ぐことができる装具もあります。
目的は、それだけではありませんが、短下肢装具と呼ばれる装具でも膝折れを防ぐことができる場合があります。
立っている状態から、膝折れが起きるとき、膝が曲がると同時に足首も曲がります。
その足首を止めることで膝折れの防止に繋がることがあります。
まとめ
本記事では、歩くときの膝の動きと、膝折れに対する装具の効果についてお話ししました。
装具を使わなくても、膝を曲げないように歩くことができれば、膝折れを出さずに歩けるかもしれません。しかし、装具で膝折れを抑えながら歩くと、膝周りやお尻の筋肉が働きやすくなり、リハビリの効果がより一層期待できるようになります。
膝折れというひとつの問題に対しても、リハビリの初期から、生活場面まで、体の状態に合わせて色々な装具が存在します。自分にも合う装具があるかもしれない、どんな装具があるのか気になると思った方は、埼玉県装具対応施設一覧から最寄りの相談できる施設を探してみてください。
文責:医療法人瑞穂会 川越リハビリテーション病院 理学療法士 安岡 裕輔
【引用画像】
Kirsten Götz-Neumann.観察による歩行分析.2歩き方-人の歩容の生理学.P12.医学書院.2005