装具って何のために使うの?

※本記事は、全ての当てはまる訳ではありませんので、参考程度にご利用ください。
脳のご病気(いわゆる脳卒中)を患った患者さんに,《装具》という補助具を使用する場合があります。最近では,公共施設や屋外で,装具を装着されている方を見かけることが増えてきました。
本記事では,以下の内容について解説します。
・装具を使う目的
・装具を使った方が良いお体の状態
ご自身のお体の状態が装具の使用に該当するかどうか,確認してみてください。
本記事では,主に足に装着する装具について取り上げたいと思います。
足に装着する装具の使用目的は,一般的に以下の通りとされています。
・関節を良い位置に保持する
・関節の変形を予防し,矯正する
・ご病気によって失われたお体の機能の補填
・歩く際に足にかかる体重を支持する
・足にかかる体重を他の部位へ逃がす(装具の種類による)
日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会 監修:義肢装具のチェックポイント 第6版.医学書院,2006,pp2-17.
少し,詳しく解説します。
①関節を良い位置に保持する
装具はプラスチックや金属などで一定の形状を維持する構造になっており,いわゆる“添え木”のように使用することで関節の保持を行うことができます。
②関節の変形を予防し,矯正する
脳卒中後に特有な足の症状(足がピンと下を向き,つま先立ちのような状態で固まってしまう)や,神経障害後の足が垂れ下がってしまう状態は,放置するとその位置で固まってしまうため,その予防に装具が用いられることがあります。
③ご病気によって失われたお体の機能の補填
④歩く際に足にかかる体重を支持する
立ったり歩いたりする際に,足首や膝は重要な役割を果たします。病気やけがによりその機能が十分に果たせないときは,装具がその機能を補填してくれることがあります。体重がかけられなかった足が支えられるようになったり,引きずってしまう足を引きずらないようにしたり,装具の形態にもよりますが,様々な形で足の補助をしてくれます。
⑤足にかかる体重を他の部位に逃がす
装具の種類にもよりますが,例えば足の骨折などで体重をかけられない場合は,その一部を他の部位で支えられるように逃がしてくれる機能を持つ装具があります。
装具を使った方が良いお体の状態
脳卒中の方への足の装具の適応について,以下に一例を挙げさせていただきます。
・足首が垂れ下がってしまい,ご自分では動かすことが難しい
・体重をかけると膝が曲がってしまい,支えることができない
・歩いていると足先を引きずってしまう
・病気になる前よりも,歩く速度が遅くなった
・病気になる前と比較して,歩き方が崩れているのが気になる
・歩いていると膝が伸びきってしまい,痛みが出る
これら以外にも,適応になる状態は様々です。
まとめ
本記事では,以下のことについてご紹介しました。
・装具を使う目的
・装具を使った方が良いお体の状態
装具を使う目的としては,
① 関節を良い位置に保持する
② 関節の変形を予防し,矯正する
③ ご病気によって失われたお体の機能の補填
④ 歩く際に足にかかる体重を支持する
⑤ 足にかかる体重を他の部位へ逃がす(装具の種類による)
がありました。
装具を使った方が良いお体の状態に関しては,
① 足首が垂れ下がってしまい,ご自分では動かすことが難しい
② 体重をかけると膝が曲がってしまい,支えることができない
③ 歩いていると足先を引きずってしまう
④ 病気になる前よりも,歩く速度が遅くなった
⑤ 病気になる前と比較して,歩き方が崩れているのが気になる
⑥ 歩いていると膝が伸びきってしまい,痛みが出る
が挙げられます。
症状の程度や,ご年齢,お体の機能によって,必要となる装具の種類や形態が変わる場合があります。専門家にお体や,現在の状況について確認してもらうのが安心です。また,足の装具を使用し,理想的な状態を目指して十分な練習を行うことも重要です。
1度,かかりつけ医やかかりつけの理学療法士に相談されてみてはいかがでしょうか。もしかかりつけがない,相談が難しそう,ということであれば,当サイト内に掲載されている《装具対応施設一覧》をご参照ください。あなたのお住まいの近くに,きっと相談できる窓口があるはずです。